tennis88’s blog

上海でテニスをしています。

テニス以外をやって強くなれ?親のクレームについて

テニスというスポーツはいろいろな運動を混ぜ合わせた総合的な動きが実に多いスポーツだと思います。

 

僕は専門家ではないので細かいところまでは語れませんが、

テニスが強くなりたいのであれば、テニスの練習だけを一生懸命やっていれば良いか?

という質問に対しては確実にNO!と言えるでしょう。

 

具体的にテニスに必要な運動能力は何があるでしょうか?

●ボールとの距離感を察知する

●ボールがどのように弾むのかを察知する

●ボールに向かって真っ直ぐ走る、後ろ向きで走る

●力の調節

●フットワーク

●リズム感

などなど。当たり前のものを含めて話していくとキリがないくらい必要なことが多いのですが、それらの能力をどのように鍛えるか?と考えた時に、テニス以外から学ぶ方が圧倒的に効率的かつ自然的に学べることができることが実はかなり多いのです。

 

例えば、ボールとの距離感を鍛えたいのであれば、わざわざラケットでボールを打って失敗をして時間を無駄にするより、公園でキャッチボールした方がお金もかからず、場所も時間も節約してできるでしょう。

 

ボールがどうやって弾むかがわからない人。本当に多いですが、それを鍛えたいのであれば、バスケットボールなどの大きいボールで友達とボールに回転をかけて地面に落として「どっちに弾むでしょう?」と遊ぶだけで自然に覚えられるでしょう。

 

フットワークを鍛えるのなら、サッカーを練習した方が細かい足の動き、ダイナミックな体の使いかた、素早く戻る能力などは効率的に体に覚えさせることができるでしょう。(事実、多くのプロテニスプレイヤーはサッカーができますよね)

 

上級者以外のテニスに圧倒的に足りないのがリズム感ですが、雑誌やスローモーションを必死に見るより、選手を間近で見たり、打ってもらったりして、リズム感に触れるほうがリズムを感じやすいですし、それこそ音楽に合わせて体を動かしたり、ダンスの練習をするのもとても大切だと思いますよ。

 

 

ちなみに、こういった運動能力は本当に小さい子供の時からの積み重ねで、例えば3〜4歳くらいの時に鬼ごっこをして外で遊んでる子は、自然に足が早くなるし、お友達をタッチする時に押し倒さないように、加速と減速を上手く使い、いきなりピタッと止まったりとかを習得していくわけです。

 

子供の反射神経が悪いのなら、ジャンケンをして、出した後にすぐに勝ちに出し変える、もしくは負けに出し変えるなどの遊び(トレーニング)をしたりします。これは実際に子供の運動能力を鍛えるトレーニングにもあります。

 

前に本で読みましたが、運動神経の悪い子供の責任はほとんど親のせいです。

子供が小さいころに外で遊ばせる時間 = 子供の運動能力のようなものです。

運動神経の良い子供の親は大体が運動神経の良い親です。

人はそれを「遺伝」といいますが、単純にそういった親は子供を小さいときからより多くの運動に触れさせています。

オリンピックの金メダル選手も生まれたときからスイスイと歩く人なんていませんよね?彼らもまた、小さい時からいろいろな運動に触れて運動神経を鍛えていった結果、あのような素晴らしい功績を残すことができているのです。

 

 

さて、テニスの親は良い意味でも、悪い意味でも、練習に口出しをする人の数が非常に多いことがテニスコーチの中の常識ですが、

一番困ったクレームが、ボールを打つ以外の練習をしていると、

「時間の無駄だ」と文句を言ったり、「ボールを打たないのなら返金しろ」と言ったり、

子供に自然により多くのことを学ばせる為に楽しく練習をしていると、

練習中に笑っているなんてありえない、もっと厳しく指導しろ。」

といったようなスポーツは厳しくなければ成長しない。といった考えの方も多いです。

 

とてもシンプルな動きのスポーツの場合は、そのスポーツだけに時間をかけて、厳しく練習をすることによって成長することはあるかもしれませんが、

テニスは複雑な運動連鎖の塊で、テニス以外の運動を練習する方がテニスに有利に働くこともありますし、

試合中に作戦を考える能力や、相手に合わせて柔軟に対応する能力、ミスジャッヂや天候不良などの問題を解決する能力、大会を一年を通じて自分をマネージメントする能力を養わなければいけない為、

ただ厳しく言われたことをやる!といった育ち方をしてしまっても、強くなる為に必要な自分で考えて解決するという思考力が育たないわけです。

その為には、「ここができてないから直せ!」と厳しく言ったり、答えを与えるよりも、

「今、どうしてボールが入らなかったのかな?」と遠回りではあるけど、時間をかけて優しく指導する方が、最終的に自分で自分をコントロールできるような強い選手になるのです。

 

いろんな運動に触れて、自分の運動能力を鍛えていきましょう。