tennis88’s blog

上海でテニスをしています。

どこを見ている?

たくさんの幅広い方にテニスを教えていて気付いたことがあります。

それは視野、注目する点がレベルによって全く違います。

レベルの高い人ほど、相手の立ち位置、回転、ダブルスの味方の立ち位置などを全て見て把握し、それに対して動いていますが、

レベルの低い人ほど、ボールしか見てない人が多いです。

テニスは常に自分のポジションを状況に合わせて変え続けなければいけません。

しかし、状況を把握する為にはテニスコートの上のいろんなものを見て、そこから判断しなくてはいけません。

しかも時には目に見えないものも、状況を判断する追加条件になります。

例えば、「相手はバックハンドが苦手だからあまり速いボールは打ってこない」

これも判断状況の一つで、これに合わせてポジションは多少変わるはずですよ。

 

さて、話は戻り、視線ですが、今度うまい人のダブルスを見る時に、選手の目線に注目して見てみてください。うまい選手はとにかく色んなところを目で追って判断しているはずです。そして状況判断が苦手ん人は、ボールに集中(しすぎ)しているはずです。

 

ちなみにこれはポイント中の話でしたが、ポイントとポイントの間の時間も相手をチェックするといいですよ。

明らかに緊張してたり、イライラしてたり見てわかりますから。

 

じゃあ自分は?

相手に見られてもわからないようにポーカーフェイスが良いでしょう。

フェデラーはずっと涼しい顔でテニスしてますねぇ。。。

勝ち方を勉強する

さあ練習を頑張っている皆さん、テニスの勝ち方の「勉強」はどれだけやったことがありますか?練習ではなく、勉強です。

テニスは練習だけしていても勝てるようにはなりませんよ。

ショットを覚えたら、そのショットの使い方を勉強しなくてはいけません。

世界中の強いテニス選手を輩出しているクラブはほとんど、ミーティングを行っているでしょう。強い選手の試合を通して見て、コートの上で何が起こっているのか、この選手は何を考えているのか、何故いまここに打ったのか、何故ここに立っているのか。などを細かく考え話し合います。

自分の試合もコーチが見てくれて、「あそこでこれがよかった、ダメだった、もっとこうした方がよかった、これが必要だった、いつまでに〜をできるようにしないと、相手は〜をやってきたけど気付いた?」など話して「勉強」しています。 

 

小中学校生は学校で毎日勉強していますよね?じゃあ毎日勉強しているから、そのまま特に特別なことをしなくても受験には簡単に合格できるのでしょうか?

違いますよね。

受験には受験用の勉強、試験対策、英検対策、HSK対策、TOEIC対策のように、こういう問題が出やすい、これを覚えておいたほうが良い。など、目的に合わせて普段とは違った勉強をしますよね?

テニスもそれと同じですよ。

勉強(練習)は当たり前。その使い方はまた別のテクニックです。

ボールを打つ以外に必要なこと(フットワーク)

ボールを打つ練習をひたすら続けていたら、テニスはうまくなるか?

答えはノーです。

コートの中で早く動く為にはフットワークの練習をしなくてはいけませんし、

試合中に疲れなくなる為にはある程度の体力と筋力が必要なのでランニングなり、筋力トレーニングが必要ですね。

ちなみに「疲れる」と一言いっても何故「疲れる」のか?それも人によって違いますよね。

肺活量が低い人の場合はラリーが長くなった時に息が切れるでしょうし、筋力が低い人はダッシュをたくさんした時に下半身が動かなくなり筋肉痛にすぐなるでしょうし、がんがん筋トレをすれば良いわけではありませんが、やはり最低限の筋肉がある方が安定するでしょうし、疲れづらくなると思いますよ。

車のエンジンみたいなもので、小さいエンジンで全速力で動き回ってたら、車がショートしてしまうようなもんだと思います。

 

ジュニアや大人を見ていて特に大切だと思っているのはフットワークです。球出しをしていて全然ミスをしないのに、ラリーや試合になるとミスが増える原因の大きな1つはフットワークでしょう。

毎回ボールに対して一番良い位置にしっかり入って、構えて、力を溜めて、打つ。当たり前のことですが、できている人は非常に少ないと思います。

ボールに対してちょこまか細かいステップで入る人も非常に多いです。

「ボールに対してどのように後ろに入るか」それを変えるだけで、振り遅れも減り、自分のショットの威力も相当変わります。

 

では、フットワークを良くする為にはどうしたら良いか?フットワークのトレーニングをしましょう。コートの中でできるものから、コート外でもできることはあります。

有名なものだと、Vダッシュだったりスパイダーランと言われるものから、学校の体力測定でやった反復横跳など馬鹿にできませんよ。

 

いくらラケットを器用に振れても、ボールに対して正しい動きができなければ、ミスをするか威力の無いボールになってしまいます。

「大人になってからトレーニングするなんて。。。」と思うかも知れませんが、合計10時間練習して中々うまくならないものを、9時間の練習と1時間のトレーニングに変えるだけで、足も速くなり、ボールが安定し、パワーが出るのなら、練習を1時間減らしトレーニングを1時間したほうが効率的ではないですか?

今はYouTubeでいくらでもトレーニングの動画を検索できますよ。

いろいろ見てみましょう。

片手バックボレーについてのアレコレ

さて、みなさん、バックハンドボレーですが、両手で打ってます?片手で打ってます?

ほぼスパンとふたつにわかれると思います、おそらく男子は片手、女子は両手と分かれると思います、一般的に。

日本だとプロの女子でも両手で打っている人は本当に多いですね。多いというかそもそも片手ボレーが打てないプロの女子が多いですね。その理由は単純で、そもそも片手ボレーを練習してないからです。理由が簡単すぎて申し訳ないですが。

 

ここで疑問が湧くでしょう。

「でも女子だから仕方がない」と。

いつ、誰が、この理論を作ったのかわかりませんが、答えはノーです。

 

そもそもですね、昔は両手バックというもの自体が(ほぼ)なかったんですよ。

ウッドラケットの、あの重たいラケットを使わないといけない時代ですら、女子は片手バックハンドストロークや片手バックハンドボレーがメインでした。つまり女子は力がないから両手バックボレーしか打てないというのは間違いというわけです。

 

では、何故こんなに両手バックハンドボレーを打つ選手が増えたか、ですが、ここからは僕の推測です。

ラケットの進化と共に、ボールのスピードがパワーがアップしましたね。

どんどんパワーテニス化が進み、ストロークでパワーのあるボールを打つことが最優先されてきて、それを覚えてからボレーをするという練習になりがち。

大きいフォームでストロークを打つようになってから、面を合わせるボレーを打つようにするのはとても難しく、特にバックハンドがスイングボレー気味になり、両手で打つボレー以外できなく。

そもそも、テニスを始めるときに、ストロークよりも先に、面をつくるボレーを身につけさせればこんなことにはならないわけで。ボレーを教えられるコーチが少ないというのもひとつの原因だと思います。

 

低年齢のうちから片手ボレーをするべきだと思います。

その際には大きい全面コートではパワー不足で打てない場合は、小さいサービスボックスだけでも良いので、片手バックハンドを使い、片手で面をつくる感覚を覚えさせれば、体の成長とともにパワーがついて、大きいコートでもそのまま使えるようになります。ジュニアの場合はパワーがまだないのに、そのときから大きいコートでボレーストロークをさせるから、ボレーでビュンビュンラケットを振ってしまうのです。

 

体が何も覚えていないうちに何かを学ぶのはとても簡単ですが、一度何かを覚えてからそれを修正するというのはとても大変です。

 

そもそも現在は両手バックハンドストロークが主流なのに、どうしてバックハンドボレーは片手の方が良いのでしょうか。

リーチの長さ。面を作る角度の自由度(打てる範囲、球種が全く変わります)、正面のボールの対応(片手だと綺麗に面が前を向きますが、両手だと左腕が邪魔をして面が上を向きやすくなります)などほぼ全ての面から見て、両手より片手のほうが優れています。

唯一両手の方が良い場合は、スイングボレーをするときにシャープにラケットを振れることと、相手のとてつもなくパワーのあるボールを両手でラケットを硬く握りしめブロックボレーするときなどです。

 

「女子はバックボレーは両手」と言い出した人は誰だかわかりませんが良い迷惑ですね。そんな人にプレーの幅を狭められるなんて悔しくないですか?

オーストラリアは昔、芝のコートでウッドラケットだった時代はテニス大国と言われていましたが、今でもその名残でお年寄りでテニスをしている人がたくさんいます。

80歳を超える人たちがダブルスをするのもよく見ますが、女性ももちろん片手バックボレー打っていますよ。

 

 

ちなみに僕はジュニア時代にボレーがフォアもバックも大の苦手でした。

が、19の時にトニーローチというフェデラーの元コーチ、オーストラリアのテニスレジェンドの一人に直接数日間ボレーを教わってから全てが変わりました。

それまで自分にはボレーの才能がまったく無いと思っていましたが、それからはボレーが得意になり大好きになりました。

みなさんボレーもたくさん練習しましょうね。もし打ち方がわからなかったら聞いてください。できれば片手バックハンドボレーも打ちましょうね。

 

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これはトニーローチとケンローズウォール(全豪オープンの最年少と最年長優勝記録保持者)の試合です。面白いですよ、昔の方がボレーとスライスが全然うまいのが見てわかると思います。

 

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こちらはご存知の方も多いと思いますが、ナブラチロワ。女子のサーブアンドボレーヤーで格好良いプレーをします。いまではグランドスラムの解説やコメンテーターを務めていますね。そして氷の女王と言われて全仏オープンを7回優勝したクリスエバートです。エバートは片手バックの時代から両手バックハンド時代に以降していく世代のうちの1人ですかね。

一人の上達が何故難しいか

いきなり違うスポーツの話をしますね。今年の夏に日本に帰った時に何回か水泳に行ったんですね。プールでちゃんと泳ぐのなんて小学生ぶりくらいで色々忘れていましたが、泳法を教わりながら何回も通って、最初より数段速く泳げるようになり、疲れにくくなりました。

 

水泳はですね、当たり前ですけど泳ぎ方が間違えていると全然前に進まないんですよ。疲れるばっかりで。反対にしっかりと綺麗なフォームで体を動かすと一つの動作で体がグインッ!と一気に進むわけです。面白いもんです。

 

さて、テニスの話に戻ります。テニスでも同じ話が当てはまるか???

と考えた時に、これがまたちょっと違うんですね。

例えば速いボールを打ちたいと思った時に、正しい綺麗なフォームで綺麗な ラケットの面ができていれば、少ない力で速いボールは簡単に打てるのですが、これを力任せにラケットをビュンビュン振り回しても同じような速いボールが打ててしまうわけですね。

つまり技術的には間違っていたとしても、自分の腕力に頼って打てた場合に「出来た!」と勘違いしてしまうということです。こういうことがいくらでもあります。

それを続けた結果、テニス肘になってしまったり、肩を壊したり、腰を痛めたり、技術に限界が来たりということが待っている場合も多々あります。

 

一番厄介なことは、自己流でずっとテニスを進めて悪い打ち方が完全に体に慣れてしまって、良いフォームに矯正しようとしても、体が拒否反応を出してしまったり、ミスを恐れてしまって中々変えられなかったりなどです。ジュニアのサーブで厚いグリップ(フォアハンドのグリップが多い)で慣れてしまって薄いグリップに変えられない子供が多いのが良い例じゃないでしょうか?

「厚いグリップでもサーブが入るからいい!」と意地でも薄いグリップに変えない子供もいます。本人にとってはそれがとても打ちやすく心地良いので変えたくないのでしょう。

しかし、それではスライスサーブ、フラットサーブ、スピンサーブの打ち分け、サーブを打ったまま流れるようにボレーという可能性を全て捨ててしまうのと同じです。

 

 

テニスの上達の為には「自分はこれで良い」と思っていることは客観的に分析してもらい直して進化し続けることが必要です。

これが一人の上達が難しい理由です。

全員に違うアドバイスをする

1つ前の記事でも書いた通り、テニスは各レベルで使うスイングもフットワークも作戦も全て違います。そのレベルや年齢に合わせてアドバイスを変える必要があります。

グリップの厚さ、薄さによってもスイングの方向やフットワークのアドバイスも変わります。

フラット系、トップスピン系、ドライブ系によっても変わりますね。

年齢、性別でも変わります。

選手の性格によっても変わります。

「選手ひとりひとりがどういうテニスをしたいか」によっても変わります。

趣味のテニスをしてるのか、できるだけ強くなりたいのかによっても変わります。

ジュニアだったら高校までやりたいのか、大学までやりたいのか、プロになりたいのか、中学生までで辞めるのかによっても変わります。

細かいことを出したらキリがないですが、一人に対してアドバイスをするときは、それらひとつひとつのことを全てひっくるめてアドバイスをします。なので、そもそもみんなに同じアドバイスをするはずがないのです。

 

テニスの技術も進歩し続けているので、古い技術ではなく新しい技術も知っていなくてはいけません。逆に40代や50代、それ以上の方を指導する場合は、古い昔の打ち方も勉強しないと、何故年齢の高い人たちがそのような打ち方をしているかも理解できないので、昔の技術の勉強もしなくてはいけませんよね。教えるのは中々難しいです。

 

強くなる為には良いコーチが必要

単刀直入に言って、コーチは必要なのでしょうか?コーチなしで強くなることはできるのでしょうか?

おそらく厳しいでしょう。自分をしっかり客観的に正しく分析してくれる人がいないと上達し続けるのは、厳しい。もしくはかなり緩やかでしょう。

それはもちろん初心者でも、中級者、上級者、ジュニア、プロ誰でもです。

考えてみれば、世界のトップレベルの選手でさえコーチがいますよね。

しかも、作戦のコーチ、メンタルのコーチ、フィジカルのコーチ(トレーナー)、栄養士などがセットになっているトップ選手もいますね。錦織なんてまさにそうですよね。

 

トッププロの話は次元が違うものと考え、さておき、それでは他のジュニアから大人までの一般的な場合はどうでしょうか?

大人の場合は初中級くらいまでスクールなどに入って、ある程度全体的にショットが打てるようになったら、友人とコートを自分達で取り、自主練の割合が増えていく人がかなり多いのではないでしょうか?

初心者、中級者、上級者、又はそれ以上などのレベルによって、体の使い方やフットワーク、試合の作戦などはまったく違います。

ジュニアでも、地区レベル、県レベル、地方大会レベル、全国大会レベル、国際大会レベルでは、それぞれがテニスコート上で行っているパフォーマンスは細かく分けると全然違うでしょう。

 

さて、ここで問題なのは、

初心者の時は初心者用の動き方、初心者用の打ち方を教わっています。中級者になれば、中級者用のテニスのテクニックを教わります。それらの打ち方や、テクニック、フットワーク、体の使い方は上級者用のものとは厳密に言えば違うわけです。

そこで教わるのを終わりにして、あとは習ったものを自分で練習してできるようになろうとしても、そもそも中級者用のアドバイスしか受けていないと、それをいくら練習しても上級になるのは難しいです。当たり前ですよね。

 

例を出します。

ほぼ全ての方がテニスを始めたときに「足を止めずに常に動かし続けましょう」と習いませんでしたか?これは体でリズムを取る為、ボールに対して1歩目の動き出しを早くする為、距離感を取りやすくする為などの理由があります。

上級になってそれらのことができるようになったら、別に足を動かし続ける必要はありませんよ。

「足、動かしすぎですよ」とアドバイスをすると高確率で「スクールでそう習った」という返答がきますが、それは初心者用のアドバイスで、つまりその人は練習しなくてはいけない項目がアップデートされていないわけですね。いつまでも初心者用のアドバイスを練習しづつけているわけですから。

 

「足をできるだけ細かく動かせ」これも同じですね。フェデラーや錦織やジョコビッチや上級者の人達がちょこちょこ足を動かしてボールまで移動していますか?

上級者になったら足をできるだけ大きく動かす練習をしなくてはいけません。それを知らずに永遠に細かい足の動きで練習しても上級者になれないわけです。

 

ラケットの動かし方で言ったら、初心者はまずはボールをラケットでとらえる為に後ろから前に押すようなフラットの直線気味のスイングから入りますね。その場合は足はクローズドスタンスが使いやすいですね。中級になるにつれて少しずつトップスピンを覚えていき直線のスイングからワイパースイング気味に変わっていきます。足の形は徐々にオープン気味も使うようになりますね。そして上級者になったらさらにそこに腰の回転や下半身の重さを使った打ち方を覚えていくわけです。それに使うスイングもフットワークもまるっきり違います。それにともない作戦も変わりますね。

 

テニスはこういう風にレベルが変われば、それに合わせて全てが変わってくるので、趣味の中でも強くなり続けたい人はやはりコーチに見てもらうのが一番良いでしょう。目標や反省や具体的な意識のない10回の練習よりも、しっかり練習することを意識して、自分を分析してモチベーションを高めてくれるコーチと練習した方が上手くなるスピードも経済的にもお得でしょう。