tennis88’s blog

上海でテニスをしています。

片手バックボレーについてのアレコレ

さて、みなさん、バックハンドボレーですが、両手で打ってます?片手で打ってます?

ほぼスパンとふたつにわかれると思います、おそらく男子は片手、女子は両手と分かれると思います、一般的に。

日本だとプロの女子でも両手で打っている人は本当に多いですね。多いというかそもそも片手ボレーが打てないプロの女子が多いですね。その理由は単純で、そもそも片手ボレーを練習してないからです。理由が簡単すぎて申し訳ないですが。

 

ここで疑問が湧くでしょう。

「でも女子だから仕方がない」と。

いつ、誰が、この理論を作ったのかわかりませんが、答えはノーです。

 

そもそもですね、昔は両手バックというもの自体が(ほぼ)なかったんですよ。

ウッドラケットの、あの重たいラケットを使わないといけない時代ですら、女子は片手バックハンドストロークや片手バックハンドボレーがメインでした。つまり女子は力がないから両手バックボレーしか打てないというのは間違いというわけです。

 

では、何故こんなに両手バックハンドボレーを打つ選手が増えたか、ですが、ここからは僕の推測です。

ラケットの進化と共に、ボールのスピードがパワーがアップしましたね。

どんどんパワーテニス化が進み、ストロークでパワーのあるボールを打つことが最優先されてきて、それを覚えてからボレーをするという練習になりがち。

大きいフォームでストロークを打つようになってから、面を合わせるボレーを打つようにするのはとても難しく、特にバックハンドがスイングボレー気味になり、両手で打つボレー以外できなく。

そもそも、テニスを始めるときに、ストロークよりも先に、面をつくるボレーを身につけさせればこんなことにはならないわけで。ボレーを教えられるコーチが少ないというのもひとつの原因だと思います。

 

低年齢のうちから片手ボレーをするべきだと思います。

その際には大きい全面コートではパワー不足で打てない場合は、小さいサービスボックスだけでも良いので、片手バックハンドを使い、片手で面をつくる感覚を覚えさせれば、体の成長とともにパワーがついて、大きいコートでもそのまま使えるようになります。ジュニアの場合はパワーがまだないのに、そのときから大きいコートでボレーストロークをさせるから、ボレーでビュンビュンラケットを振ってしまうのです。

 

体が何も覚えていないうちに何かを学ぶのはとても簡単ですが、一度何かを覚えてからそれを修正するというのはとても大変です。

 

そもそも現在は両手バックハンドストロークが主流なのに、どうしてバックハンドボレーは片手の方が良いのでしょうか。

リーチの長さ。面を作る角度の自由度(打てる範囲、球種が全く変わります)、正面のボールの対応(片手だと綺麗に面が前を向きますが、両手だと左腕が邪魔をして面が上を向きやすくなります)などほぼ全ての面から見て、両手より片手のほうが優れています。

唯一両手の方が良い場合は、スイングボレーをするときにシャープにラケットを振れることと、相手のとてつもなくパワーのあるボールを両手でラケットを硬く握りしめブロックボレーするときなどです。

 

「女子はバックボレーは両手」と言い出した人は誰だかわかりませんが良い迷惑ですね。そんな人にプレーの幅を狭められるなんて悔しくないですか?

オーストラリアは昔、芝のコートでウッドラケットだった時代はテニス大国と言われていましたが、今でもその名残でお年寄りでテニスをしている人がたくさんいます。

80歳を超える人たちがダブルスをするのもよく見ますが、女性ももちろん片手バックボレー打っていますよ。

 

 

ちなみに僕はジュニア時代にボレーがフォアもバックも大の苦手でした。

が、19の時にトニーローチというフェデラーの元コーチ、オーストラリアのテニスレジェンドの一人に直接数日間ボレーを教わってから全てが変わりました。

それまで自分にはボレーの才能がまったく無いと思っていましたが、それからはボレーが得意になり大好きになりました。

みなさんボレーもたくさん練習しましょうね。もし打ち方がわからなかったら聞いてください。できれば片手バックハンドボレーも打ちましょうね。

 

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これはトニーローチとケンローズウォール(全豪オープンの最年少と最年長優勝記録保持者)の試合です。面白いですよ、昔の方がボレーとスライスが全然うまいのが見てわかると思います。

 

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こちらはご存知の方も多いと思いますが、ナブラチロワ。女子のサーブアンドボレーヤーで格好良いプレーをします。いまではグランドスラムの解説やコメンテーターを務めていますね。そして氷の女王と言われて全仏オープンを7回優勝したクリスエバートです。エバートは片手バックの時代から両手バックハンド時代に以降していく世代のうちの1人ですかね。