ミスジャッジと親とコーチ
おそらくテニスをプレーする上で永遠につきまとう問題、そして何十年にも渡って議論されている、ミスジャッジについて。
ミスジャッジには、悪意のある場合と無い場合があります。
無い場合というのは、見えなかったのではなく、いわゆる本当に入っているボールがアウトに見えたというもの。
ジュニアでも大人でも、緊迫した場面や絶対に取りたいポイントで、相手のボールがアウトであって欲しいという気持ちから、本当にアウトに見えてしまう場合があります。
これについては、言及しません。(あまりにも多い場合には、もちろん問題ですが。)
議論に上がるのは、悪意のあるミスジャッジです。
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【最低限知っていなくてはいけないルール】
入っているかアウトか分からないボールは全てイン。
オンラインはイン。ボールが半分ラインに乗っていたらイン。ボールの毛が一本でもラインに触れていたらインです。
ボールを打ってミスした後のジャッジはレイトコールで自分の失点。
相手のアウトボールに気付かずにインだと思いリターンしてプレーを続けるのは問題なし。ただし外部の人間は、選手に対して「さっきのボールはアウトだった」と教えることはできない。
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【よく問題になるプレー】
相手の入っているボールをアウトにする。
(直ちに失点。アウトのコール後に、「やっぱり入っていた」と宣言しても、ミスのジャッジをした時点で失点。そのままラリーを続けることはできません。)
レシーバーが相手のファーストサーブのフォルトを思いっきり返して、入ったらそのまま続ける、ミスしたらフォルトだったと言う。
(ミスした後にコールをしたら、実際に相手のボールがアウトだったとしても、レイトコールで相手の得点んになります。)
自分の打ったボールがアウトと分かっていながら、相手に「今のは入っていただろう!」と文句をつけ妨害をする。
(スポーツマンシップに反する行為)
【では、何故ミスジャッジは起きるのか?】
ジュニアの場合はひとつに親やコーチからのプレッシャーがあります。
負けた後にみんなの前で怒られたり、「次に負けたらテニスやめさせる」とか「あの子には絶対に負けてはだめ!」と言われたり、罰を与えられている場合に、良い試合をすることが目的ではなく、ただ勝つことが目的になっている試合があります。
親やコーチに怒られる恐怖心で、負けたく無いが為にミスジャッジをするジュニアほど見ていて痛々しい光景はないですよ。
「ミスジャッジはしてはいけないもの」とジュニアに教えるのは、親やコーチの仕事です。
ミスジャッジをして勝つことに慣れてしまったジュニアが、その後に勝てなくなる確率は高いです。
大きい大会になれば審判はもちろんつきますし、
メンタルのスポーツと呼ばれているテニスで、自分のメンタルの成長を自分で妨げ、将来の可能性を削っていたと何年も先に気付くのは勿体無いです。
相手のエースに「ナイスプレー!」と拍手を贈れるくらいメンタルの強い選手になりましょう。
では、道徳的かつ哲学的な面から見るとどうでしょうか?
テニス選手が目指すべき最終の選手像とはどういうものでしょうか?
私は「みんなから応援してもらえる選手」だと思います。
例え強くなくても、自分の選手生活を恥じなく誇ることができて、見ている人を魅了するような選手になることが大切だと思います。
私がジュニアの時代にも多くのミスジャッジをする人と容認する親やテニスクラブがありましたが、
厳しい事を言うと「あの子はミスジャッジで有名」とか「あのテニスクラブはミスジャッジする人が多い」と話題になってしまう悲しいことが多かったです。
でも、昔はミスジャッジが多くても、成長するに従ってミスジャッジをしなくなり、
みんなが「あいつは変わった!」と言われる選手もたくさんいました!
みなさんが応援する立場だったとしたら、どんな選手を応援したいですか?
世界中にファンのいるアスリート達はどんな態度で競技をしていますか?
スポーツマンの価値を決めるのは勝敗だけではないはずです。