tennis88’s blog

上海でテニスをしています。

変える勇気【メンタル】

前回、2つにわたり変える勇気についてお話ししました。技術と作戦。
では、それに伴い精神的な影響はどうでしょうか?

 

上手くなればなるほど技術を変えるのは難しくなります。
何故なら今持っている技術を変えなくてもある程度勝つことができる。
変えている最中に、今まで勝っていた選手に負けてしまうことの恐怖やストレスがあるからです。
無色のモノに色をつけるのは簡単です。
ただ一度染み付いた色を他の色に変える作業は難しいです。


何か新しい技術を身につけたり、グリップやフォームやスピン量などを変えて、1週間や2週間で身について、すぐに試合で勝つことができる人なんてほぼいないので、長いスパンで変えていきましょう。


ジュニアの話をしましょう。

例えば、サーブをフォアハンドのグリップと同じ厚い握りで打っている。
ずっとそのグリップで小さい頃からサーブを打っているので、ある程度コントロールをつけたり、スピードも出すことができる。
しかし厚いグリップのサーブには限界がありますね。
薄いグリップで打てるようになる必要があります。

この時に、ジュニアにこれから強くなる為にはサーブを薄いグリップで打てるようにならないといけないと言って試させると

100%に近い確率で「打ちづらい!!!」と言います。
そしてジュニアのストレスはとても大きいです。
私も未だにジュニアの時にサーブを厚いグリップから薄いグリップに変えさせられた違和感を覚えています。

ジュニアからすると辛いです。
今までずっとサーブが入ってたのに、最初は不自然なぎこちない動作になるし、ダブルフォルトは増えるし、サーブは前より遅くなるし。
何回注意しても、意識的に(または無意識で)前の厚いグリップに戻して打つ子がほとんどです。
でも時間をかけて変えなくてはいけません。

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【ジュニアの親の方へ】
子供のテニスは強くなる為に、たくさんの失敗や負けが必要です。
将来的に強くなりたい場合は、目の前の小さい試合でコツコツ勝つよりも、負けたとしても試合の中で伸び伸びと大きなプレーをしたり、新しい技術をトライし続けて年齢が上がってから勝てるようになることが必要です。
現に、12際以下で全国大会に優勝したジュニアがそのまま18歳までずっと強い例は、実は以外と多くないです。

ジュニアでも大人でも、たとえ負けたとしても、テニスがとても良い方向に向かっている「良い負け方」というのが存在します
その時に親が「なに負けているんだ!!」とか「前にあの子に勝てたのに!!」とか子供を叱ると、その子の可能性を潰すリスクになります。

負けるのが怖くなって何もしない「悪い勝ち方」をするより、将来に繋がる「良い負け方」をたくさんする方が大事です。
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大人も同じですよ。

例えば、何かを変えようと思った時に、ミスが増えると嫌になりませんか?
変えたいけど、やっぱり今まで通りでもいいと思い悩みませんか?

この時に自分の中で
「時間をかけてやるぞ」
「最初はミスが増えるのが当たり前」
「前に勝っていた人に負けることもある」と覚えておくことが大切です。


仕事でも同じですよね。
今までずっとペーパー処理していたものを、デジタル化しようとしたら、最初の設定や使い方を覚えるのに時間をかけますよね。
最初に操作の仕方を覚えるまでは、今までのアナログで仕事をしていた時より時間がかかりますが、一度使い方を身に付けてしまえば、前よりももっと早く正確になる。

 

自分のテニスを変化させる為には、一時的にミスが増えたり、勝てなくなったり、ストレスがかかると思います。
目先の練習、目先の試合ではなく、未来を見ましょう。
新しく変化したことによって、より良くなる輝かしい自分をイメージし続けましょう。